戸澤の週報
2018年05月05日
ラストマン
ゴールデンウイークも終盤となりました。
少しでも普段できないことに着手出来れば良いと思い、この休みは読書の時間を多くとりました。
ある方にお勧め頂いた、五木寛之作「青春の門」に取り組んでいます。
1969年から始まり、未だに完了していない超大作大河小説です。
青春のほろ苦くも熱く燃え上がるような情熱に、久しぶりに触れて、なんだか忘れかけていた昔の自分を少し思い出しながら読み進められました。全8巻ですが比較的読みやすい本です。
このゴールデンウイークの中日には当社の海外拠点に駐在しているメンバーを戻しています。
今年は残念ながら全員は揃わなかったのですが、いつも慰労会を行っています。
海外への駐在員の仕事は、日本のその仕事とは一つ大きく異なっている所があります。
それは、決断をする上やその責任を取る上で、自分の後に誰がいるかということです。
海外において、一つ一つの決断を一つ一つ本社に伺いを立てて進めることはできません。
毎日起こる様々な決断を必要な事項をその拠点にて決めていき、その責任を取っていく必要があります。
この最後に責任を取ろうという意識のある人を「ラストマン」と命名したいのは、不振にあえぐ日立製作所をV字回復させた張本人である川村隆さんです。
東大出身ではありますが、海外の経験も無くMBAの資格を持っているわけでもありません。
プロ経営者ではなくても、心の持ちようによっては大企業でも大きな成果を出すことができるという証明をして頂きました。
「決裁権限規程」やルールだけに従って物事を考えてしまうと、一人一人ができる事は限られているのかもしれません。
しかし、物事を変えたかったり、新たに始めなければいけなかったり、何か大きな決断をしなければいけない場合は、必ずどこかで思い切りが必要になります。
これだけ物事の動きが速くなった世の中です。
一つ一つの決断もすればよいという訳ではなく、そこに「素早く」という条件が付きます。
それもこれからはただ、素早くではなく、連続して素早くを維持することが大切だと思っています。
何が大切かをそれぞれ各自が理解することができて、その持ち場持ち場でのラストマンが増えてくれば、その会社は確実に強くなっていきます。
逆に言えば、ラストマンが増えてこなければその組織の成長はそこで止まると言って良さそうです。
そう考えると、どのようにラストマンを育てていくか?
この大いなる難問に対して、どのように各社が取り組んで行くのか?
この巧拙によって会社の強さが決まってくるということなのでしょう。
当社としても今年度答えをしっかりと出したいと考えています。