戸澤の週報
2003年08月09日
2003/8/9
黒岩重吾の「さらば星座」を読みました。全5部13巻の壮大な大河ドラマでした。太平洋戦争にて両親を喪った正明の半生を綴ったものです。戦争にて期せず浮浪児として生きていくことを強いられた正明が、数々の苦難を乗り越え成長し、初恋の人と結ばれる。この様に書きますと恋愛小説に聞こえますが、そんな狭いものではなく、経済小説でもあり、ある意味歴史小説でもあり、私が勝手に人生小説と考えているカテゴリのものでした。現在、NHKの連続ドラマでもやっています、山崎豊子の「大地の子」と並ぶ大傑作だと思います。既に、読まれた方も多いかと思いますが、もし、まだ読んでいない方がいましたら、何を差し置き読んで頂きたいものです。13巻ですが、あっという間に読めてしまいます。この本を通じて、改めて様々なことを考えさせられました。毎日、我々が何気なくしていること一つ一つが、本当は当たり前なことなど何もないことがよく分ります。毎日働けること、毎日食べれること、毎日平和に安全に暮らしていけること、数え上げたらキリがありません。これら全ては、今は当たり前ですが、当たり前でないこともあるのですね。これらがあること、できることの喜びを感じられる人間になりたいものです。