戸澤の週報
2024年10月26日
自分の言葉
今週は台湾で展示会に出展していました。
小さいブースながら、多くの方に集まってもらい、非常に貴重な時間を持つことができました。
台湾には有力な半導体・電子部品メーカーが数多くあります。
ご要望ありましたら、当社までお問い合わせをお願い致します。
この週報を書くようになってから20年は超えています。
物を書くということで、当たり前ですがとても大切なことを学びましたので共有します。
「代表的日本人」の作者である内村鑑三の著書に「後世への最大遺物」があります。
この本は1897年に単行本として出版されているので、もう100年以上昔のことです。
人間が過ごした人生を後世に何を残すべきかと言う話です。
残すべきは金であり、それがなければ事業、それがなければ思想、それもなければ勇ましい高尚なる人生を遺せばそれで良いという。
生きる上で、そして仕事をする上で目的を見失いがちな時に、触れるべき書籍でしょう。
経営者にも人気と言うのも納得しました。
その中の思想を説明するところで、ある人が内村鑑三に自分が編集した雑誌を見せて感想を聞きました。
「全く持って面白くない。厠の紙として使う」と答えます。
その人は怒ってしまうのですが、よく話を聞いてみると、内容に自分らしさがないということです。
その本では学生たちが文学について書いてあるのですが、どこからか引っ張ってきたご高説をただ組み合わせてあるだけで、その学生たちの自分の言葉がない。
ありのままの自分の言葉がないということを指摘したのでした。
その後、その雑誌はかなり良くなったそうです。
同じ文章でも切り貼りと受け売りだけだと、化けの皮が剥げてしまいますね。
ありのままの言葉を出すためには、下手な文章でも、内容が十分でなくても、どこかの文章を持ってくるのではなく、思い切って自分の言葉を発してみることです。
確かに、逆の立場になってみると、内容の良い悪いではなく、自分の言葉で書いてあるものの方が、読む気がします。
意識しているわけではないのですが、人間の中のどこかに切り貼り受け売りセンサーが備わっているのですね。
これからは自分の言葉にこだわっていきたいと思いました。
その為には、自分自身の考えを持つためのインプットと、それを消化するための思考時間が必要になりそうです。
いつの時でも勉強ですね。