戸澤の週報
2023年04月16日
言葉の想像力
東京では春一番の風が吹き荒れています。
風の強い日が続いていて、今日は雹が降ったところもあったようです。
しばらく不安定な続くのでしょうか?
何回か前にEQを取り上げたかと思います。
EQは心の知性と言って良いかと思いますが、その中で重要なことは、自分を理解して、相手を理解するということです。
相手の気持ちや考えを理解するのに、自分が何を感じて、そしてそこから何を考えているのか理解することが大切と言うことです。
そして、人とコミュニケーションをする上で大切になってくるのが、言葉になるわけですが、これがなかなか難しいものです。
例えば、誰かと待ち合わせ場所を決めるのに、相手の住んでいる場所が川崎なので、自分が近い駅は渋谷なのですが少し先だからと考え品川で待ち合わせしようとします。
そしてメールにはこのような文章を書きます。
「品川まで戻ってしまいますか?」
当然、質問している方としては、近くまで戻った方が楽だよねと思ってこのように聞いているわけですが、聞かれた方がもう一つの意味が頭に浮かびます。
”この質問は、品川まで戻ってしまうと何か問題があると思っているから、このように聞いているのかな?”と考えるわけです。
そして、「まだ決めていないです。」と言う形で返信を返します。
返信を受け取った質問者はこの返信を見ても意図が良く分からなくなり、コミュニケーションが混乱してきます。
もちろん仲の良い間柄であれば、率直な質問を交わし、このような疑問は早期に解消されます。
しかしながら、ビジネス上の関係性だと、相手の隠れた意図を読み取ろうと考えだし、結局は会うことが嫌なのかもしれないと考え、予定を白紙に戻したりします。
お互いが会う必要があると思い、連絡を取ったわけなのですが、このようなすれ違いは恐らく自分でも気が付かないところで多く行われているのではと思います。
ここで大事なことは2つです。
一つ目は、自分が質問する方であれば、自分が発した言葉がどのような意味で捉えられるのかを考えることです。
2つ以上捉え方がある場合は、もう一方の可能性を消し、一つの意味であることを明確に分かるようにすることです。
もう一つは、文章の限界を認め、直接の会話をすることです。
そのように考えると、まずは言葉に対する想像力を働かせることの重要性です。
どのような文意があるのか?あるとしたらいくつあるのか?
そして、どのように一つに絞っていくのかを想像力を活用し行います。
しかしながらいくら違った可能性を想像力を働かせて考えたとしても、気が付かないこともあります。
そのため大切になってくるのが、直接の会話です。
理想は会って話すことですが、例え電話だとしても声のトーンや抑揚、速さでかなりの情報が伝わります。
直接の面会だとここにさらには表情と言う、相手の感情を理解するための大切な要素が加わります。
現代はメールですら即時性の観点から使用を控えるようになってきました。
LINEやTEAMSなどのツールは今後ますます活躍していく事でしょう。
しかし、その反面で、言葉の短縮化、文章の短縮化が行われ、多くの誤解が生まれやすくなっている側面もあります。
携帯電話がなかった時代は、会社に電話をかけるしかありませんでした。
多くの人が直接話をして、お互いが理解し合うまで話をすることが当たり前でしたので、コミュニケーションすること自体は大変な作業だったのですが、一旦できてしまえば、お互いの理解は早く、かつ間違えが少なかったのが特徴です。
もちろん昔が良かったと言いたいわけではありません。
いつの時代でも新しいものを上手に取り込みつつ、本当に良いものを見失わないことがこれからの時代の対応の仕方ではないかと最近良く思います。