戸澤の週報
2022年09月04日
追悼
昼の暑さと夜の涼しさが共存しているこの時期は、過ぎゆく夏の寂しさを感じます。
先週には、京セラの名誉会長である稲盛和夫氏さんが、亡くなりました。
1代で京セラをグローバルな企業に育て、KDDIと言う日本を代表する通信会社も作りました。
晩年は、破綻したJALを再生させました。
日本だけではなく、世界を代表する経営者であり、思想家でした。
稲盛さんは多くの著書を残してくれています。
多くの著書を通じて稲盛さんが述べているのは、心の力です。
人生の全ての事は、自分が引き寄せたことであり、自分の心が投影されたものであるという考えです。
心が現実を作り、動かしていく。
自分がどのように考えているかで、自分を取り巻く環境は簡単に変わってしまうということです。
その他で、今でも忘れられない教えがたくさんあります。
どんなに困難に見えたとしても、自分を信じ、あきらめずに、前向きに最後まで取り組むことで、どれだけ遠いと思っていた成功が、いつかはやってくる。
事業を進める上で、利己的な動機では、ある程度までしか成功しない。
利己的ではなく利他になった時、その事業は本当に成長する。
困った時は人として何が正しいかで判断をする。
全社員が心を一つにしてベクトルを合わせる。
数えきれないくらいの大切なことを教えてくれました。
不十分ではありますが、実際の経営に活かしています。
もし、稲盛さんの教えに出会っていなかったら、どうなっていただろうと、本当に恐ろしく感じます。
10年ほど前に、一度稲盛さんにお会いできるチャンスがあったのですが、何かと理由をつけて、会うことが叶いませんでした。
今でも時々後悔をしています。
この先の読めない時代だからこそ、その見解をお聞きしたかったのですが、ここ数年間は、表舞台には出てきませんでした。
高齢でもありましたので、望むことは難しいと思っていましたが、心のどこかではお話を聞くことを楽しみにしておりました。
非常に残念で、心の中の喪失感がまだ大きいのですが、最後の著書「心。」において、言いたいことは既に語りつくしたとあります。
もう一度、残された著書や、わずかにある肉声から、時代が変わっても変わらない大切なことを学びたいです。
そして、この現代社会に対して、どのように心を育み、何を行っていくべきなのかを、時間を取ってゆっくりと考えて見たいと思います。