戸澤の週報
2022年03月21日
私たちの脳
各地で桜が咲き始めています。
春の陽気は何物にも代えがたい、幸福感がありますね。
これからしばらくは、1年で最も過ごしやすい季節になります。
私たちの脳はまだまだ分かっていないことが多いと言われています。
会社などの組織を運営する上で中心になるのが人間です。
その人間を考える場合に忘れてはいけないことが脳の事です。
私達ホモサピエンスは、今から20万年ほど前にその原型が出現したと言われています。
当時の世界では、身の回りに猛獣がいて、わずかな行動の遅れは即、捕食されることになります。
そのような環境では、「深く考えて行動する」ことよりも、「早く反応する」ことが重要です。
さらに、当時は今のように食料が豊富にあったわけではありません。
限られた食料で生活するためには、エネルギーの消費を避けなければいけません。
そのため、著しくエネルギーを消費する脳は、いつも回転するわけではなく、何かがあった時だけに動く特性を持っていたようです。
その後時代は大きく変わり、脳の求められる働きも変わりましたが、未だに当時の特性を引きずっているようです。
そのように考え見ると、現在の変化が多く、先の読めない時代と言うのは、人間の脳としては非常に苦手な局面です。
出来れば、いつもは深く考えずに、変化の少ない、決められた世界を行きたいのが人間です。
自分が今の現状について、全く理解できていないのは、人間にとっては恐怖です。
そのため、自分の信じることに対して、深く傾倒し、信じられないものが出たとしても、自分が信じることだけにしがみつこうとしてしまいます。
これらが「認知バイアス」の大もとと言えそうです。
そのように考えると、変化を嫌うのは人間の本能であり、不思議なことではないと分かるだけでも収穫です。
現代人の脳には、知性も備わっているため、言葉で理論的に伝えることで、理解が進み、本能を押さえることができます。
できる限り明確に、論理的に伝えることが、現代人の脳を考えると重要な要素と言うことです。
まあ、よく考えて見れば当たり前のことですが、背景を知って理解することで、今までとはちょっと違って見えてきますね。
参考図書:不確実な時代に勝ち残る、ものづくりの教科書 村上悟 クロスメディア・パブリッシング