戸澤の週報
2018年03月04日
差別化
この休みは春らしい陽気となりました。
写真の花は沈丁花(じんちょうげ)で、街できれいに咲いていました。
良い香りがする花で、調べたところ、日本三大香木のひとつであることが分かりました。
他の二つは秋の金木犀(きんもくせい)と夏の梔子(クチナシ)でした。
クチナシは名前しか知りませんので、この夏に実際に見てみたいと思います。
先週は香港/中国への出張となりました。
中国の深圳に事務所を開設しており、先週からいよいよアウトサイドの営業も配置して本格的なサポートが開始します。
そんな中で入居したオフィスの空気環境が良くなく、やむなく今月に写真のビルに引っ越す予定です。
前のところからわずか200mほどの移動ではあるのですが、早速カントリーリスクが顕在化しています。
そんなことにもめげずにこれから一生懸命にお客様のサポートを進めていきます。
日本に帰ってきてこの週末に立ち寄ったのは1件の自転車屋さんです。
家族経営で小規模なお店ではあるのですが、お客様が多く入っていました。
今では自転車は大手家電店や大手の自転車のチェーン店などの競合があるため、普通にやっていては太刀打ちできません。
こちらのお店は取り扱いを、通常の自転車以外の、例えばオフロードの自転車や、特に面白かったのは、子供用のオフロード仕様の自転車に特化させている点です。
子供用のオフロードを一部屋分集めている店はなかなかありません。
店主の話を聞いているとWEBを見て随分遠くからお客様がやってくるみたいです。
「差別化」とは何かをフォーカスすることですが、もっと大事なことはフォーカスするもの以外は「捨てる」ことです。
この「捨てる」ことが、経営者からしてみると非常に難しい判断となります。
例えば居酒屋の経営を考えてみると、喫煙者と禁煙者を両方取り込みたいから、喫煙可能にして禁煙者に我慢を強いたり、分煙などで対策を取ったりします。
実際に分煙では完全な対策ではないので、両立はかなり困難と言えそうです。
それでは完全に禁煙にした場合はどうなるでしょうか?
まず考えられるのは、従来からの喫煙者の顧客が離れていく事です。
店の前に灰皿を設置できるかどうかにも掛かっているかもしれませんが、もし店の前に設置できなければ、何割かの喫煙者は離れてしまうかもしれません。
しかしながら、禁煙者の顧客満足度は高まりますので、禁煙者の間では評価が高まります。
そして、次のステップで生まれるのは禁煙者間の「口コミ」による紹介です。
「口コミ」で増えていく顧客は禁煙前の顧客の数よりも上回ることとなる可能性が高いです。
ただし、ここでポイントとなるのは、口コミによる紹介は即効性に欠けるところです。
仮に口コミによる紹介があって、元の数よりも顧客が増えたところで、早くても数か月間の顧客減は覚悟する必要があります。
そして、一度顧客が減ったら、必ず顧客が戻り、元の数よりも増えるという保証を誰もしてくれるわけではありません。
この辺りが居酒屋・レストランで禁煙になりにくい理由と言えそうです。
どこを守り、どこを捨てていくか?
この先、企業が強く迫られるテーマです。
当社もこれらの問題にしっかりと答えを出しておく必要があります。