戸澤の週報

2025年03月15日

イノベーションのジレンマ

3月も残り2週間となりました。

昼間は暖かく気持ちの良い陽気となってきています。

春はもうすぐそこまで来てます。

 

今週はイノベーションにおける教科書として有名な「イノベーションのジレンマ」に触れてみたいと思います。

名前を聞いたことある方は多いのではないでしょうか?

技術で最先端を目指し、顧客の要望を満たして、業界で君臨していたとしても、いつしか衰退していることは現代でも多く見られます。

それらの会社は設備投資と研究開発を怠っているわけではありません。

むしろ平均以上に注力しています。

それでは、顧客の声を聞いていなかったと言うと、それも違います。

自分たちの顧客の声を慎重に聞いて、開発に取り込んでいます。

そのように考えるとなぜ、業界でトップを走っていた会社がいつの間にか新しい会社にトップの座を奪われ、自身はマーケットから退場を余儀なくされるのでしょうか?

ひとつには顧客の話を聞きすぎたからと言います。 

 

ここで、押さえておきたい言葉で「持続的イノベーション」と「破壊的イノベーション」があります。

携帯電話で考えてみますと、日本の携帯電話メーカー各社が1990年代に端末の性能や軽さなどのスペックを新しいモデルが出るたびに改良していました。

こちらは持続的イノベーションです。

しかし、2007年(日本では2008年)に発売したiPhoneは、従来の延長線上ではなく、全くの新しいアーキテクチャーを持つ「破壊的イノベーション」でした。

以降はスマートフォンが日本の携帯電話を駆逐していったことは皆さんご存じのとおりです。

日本の携帯電話メーカーの顧客とは誰でしょうか?

実際に使う我々消費者であり、ドコモなどのキャリアです。

日本の携帯電話メーカー中で仮にスマートフォンの構想をしたとしましょう。

開発者たちはその可能性を信じて商品化を試みたいと考え、上層部に訴え市場調査を行います。

しかしながら消費者に、こんな製品が出たら欲しいですか?と質問したとしても、消費者は頭のなかでイメージできないため、良い反応が得られません。

ドコモなどのキャリアにニーズを確認しても、目の前の携帯電話の性能をどのように良くしていくかと言った具体的な声を拾えても、スマートフォンのような全く新しい製品ニーズはまだないため、これまたあまり良い反応を得ることができません。

そして、携帯電話メーカーは折角のアイデアと試作品を持っていながら、その製品を量産し市場へ投入するための予算をつけることができずにお蔵入りします。

顧客の声だけ聞いていても、破壊的イノベーションは起こせないと言うことです。 

 

大切なことはイノベーションには2種類あることをきちんと予め理解することです。

そして、破壊的イノベーションは市場や顧客の声からは生まれないこと。

人間の空想からしか生まれないことを理解することですね。

自分たちの会社が持続的イノベーションで戦っていて一定のポジションを確保しているが、破壊的イノベーションが起こり、攻め込まれていることを感じたときに、企業はどうすればよいのかを具体的に教えてくれる教科書でした。

現代ですとガソリンエンジンと電気自動車。

我々の業界ですとかつての大半の日本企業がそうだった垂直統合型の半導体製造と、TSMCを代表とする分業型の半導体製造などもそうですね。

イノベーションを起こす必要がある人には必須の1冊で、大変お勧めです。

 

 

(参考図書)

イノベーションのジレンマ 技術革新が巨大企業を滅ぼすとき

クレイトン・クリステンセン著 翔泳社

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