戸澤の週報
2023年05月28日
マルジナリア
一年で1番心地よい(近年はかなり暑い日もありますが)ひと月が間も無く終わってしまいます。
寂しくもありますが、これから始まる夏は、どこか心ときめかすところがありますね。
実際には、うだる暑さに苦しむことになるのですが。
マルジナリアという言葉があります。
ご存知の方はあまり多くないかもしれません。
本の余白の書き込みのことです。
この言葉を知らなかったとしても、本を読む人は本に何らかの書き込みをするか、全く書き込みをしないか、大きく2つに分かれると思います。
書き込み派の大家である、東工大リベラルアーツ研究教育院の教授である山本貴光さんは、マルジナリアだけをテーマとして2冊も本を書いています。(マルジナリアでつかまえて、マルジナリアでつかまえて②)
本の至る所が、マルジナリアに対する愛で溢れています。
社内の研修でも、本を読みなさいと口をすっぱく言うのですが、思っている以上に、多くの人が読書に苦戦しています。
よく課題に上がるのが、そもそも本の読み方がよく分からないということです。
こちらは、なんとなくわかります。
活字に慣れていないうちは、文字をずっと目で追っていくことに慣れていないため、集中力が続かないのです。
また、本は大抵面白さを感じるのは中盤以降で、初めての方は場面設定だったり、前置きをツラツラと書いてあったりと、読書の世界に入りづらくなっています。
その上、スマートフォンと言う、集中力を阻害する最大の強敵も存在しています。
こんな、活字にとって四面楚歌の時代を乗り越えていくかが、今後の社会人の大きな課題となります。
私自身読書による恩恵を最大限受けていると考えているため、この問題はなんとしても解決したいと思います。
対策案はいくつか思いつくところはありますが、ここでは書きません。
近くに、当社の社内研修である、コアスタッフユニバーシティで、先述の山本貴光先生に、読書の仕方について講義頂くからです。
マルジナリアの基本は精読だと思います。
本当に本の内容を理解したいならば、精読は必須であり、マルジナリアは大きなヒントになると思っています。
同時に本に書き込んだ内容は、再度読む未来の自分との会話であると山本先生は言っています。
きっと、さまざまな示唆をいただくことができると思いますので、少し先にはなりますが、講義を受けたらまた、共有させていただきたいと思います。