戸澤の週報
2018年11月18日
ドイツ
先週1週間はドイツに行っておりました。
我々が所属するエレクトロニクス最大の展示会である「エレクトロニカ」に参加してきました。
この時期のドイツは、住んでいる方はまだ序の口のようなことを言っていましたが、我々からしてみると十分寒く、真冬の感覚でした。
大体朝・夜が2度くらいで昼間も10度までは上がらない日が続いていました。
そして、寒さもこたえましたが、この一週間で太陽を見たのが、わずか1時間くらいでした。
雨か曇りが長い間続き、これがヨーロッパの気候かと実感してきました。
エレクトロニカは全16ホールで展示が行われる非常に大きな展示会です。
半導体・電子部品の多くのメーカーが出展しています。
日本の多くのメーカーも頑張って出展していました。
規模の大きさがまず第一の特筆事項ですが、もう一つは商社の出展の多さです。
よくもこれだけの多くの商社が出ているなと感心します。
もちろん大手は100小間位のとんでもなく大きなブース(もはやブースと言う感覚ではありませんでした)で出展していましたが、多くの中堅クラスの商社がこの展示会にターゲットを合わせて出展しているようでした。
ヨーロッパ中から顧客や同業者が集まってくるのにも加えて、アメリカや日本などのアジアからも人が集まっており、居ながらにしてインターナショナルな商談を行っている感じを受けました。
当たり前のことですが、半導体・電子部品を使っているのは日本だけではありません。
むしろ日本以外の方が圧倒的に多い状況です。
この展示会は昔から知っておりましたが、今回思い切って行ってみて、改めて世界の大きさを認識しました。
全体を見渡してみるとすぐに見えてくることは、1社1社の規模の大きさです。
ちょうど本日の日経新聞にも出ていましたが、日本企業の規模と比べて圧倒的に海外企業は大きいです。
決して大きい会社が良くて小さい会社がだめだと言いたいわけではありません。
これだけインターネットが発達して、グローバル化した企業の競争環境を考えてみた時に、普段目に見えている競合会社は国内企業かもしれません。
しかしそれは、ひとつの側面であって、顧客サイドから見てみたら本当に比較対象は日本企業同士だけでしょうか?
様々な意味で日本企業が日本だけでビジネスをしている時代は終わりを迎えていると思います。
日経新聞には、日本企業が大きくならない理由を下記の様に挙げていました。
ネットビジネスでの出遅れ、土台である日本経済の低迷、規制緩和の鈍さ、経営者マインドの保守性、語学力を含めたグローバル人材の不足。
どれもうなずけるものがありますが、個人的にはここに「規模を追いかけることに対するある意味でのリスクの誇張」があるような気がしています。
身の丈を大きく超える成長を求めるのは当然大きなリスクがあります。
しかしながら、身の丈に対してぎりぎりの成長を求めたとしても、リスクが優先されて会話が行われやすいのが日本の文化に根付いている気がします。
例え経営者がリスクを取って大きく前に進もうとしても、そこから得られる成果よりもリスクが優先して耳に入ってくるので、いつしか保守的な考えになってしまうのかもしれません。
新聞なんかの論調も、リスクを取ってうまく行った時よりも、うまく行かなかったときの方が大きく扱われていますね。
その結果何が起こったかと言うと、日経新聞が指摘しているように、日本企業の小粒化と突出した高寿命となりました。
ある一定以上の規模になったら否が応でも国内から離れてインターナショナルでの戦いになります。
日本企業がこれから勝ち続けていくために何をしなければいけないのかを考えさせられた1週間となりました。
写真はライン川と、帰国後会社のある高田馬場の空を何気なく取った絵です。
日本は晴れの多い国だと改めて思いました。
この気候をもっともっと活かすべきですね。