戸澤の週報
2024年11月09日
言うのは易し、行うのは難し
「言うのは易し、行うのは難し(かたし)」
この一年で強く実感した言葉です。
この言葉は古代中国の「塩鉄論」と言う会議録にあります。
時は紀元前81年にまで遡り、中国当時の前漢の朝廷で開かれた、塩や鉄の専売制を巡って開かれた会議の内容だそうです。
ずいぶん昔の言葉なのですね。
人間は自分で言ったことを実行するのは大変なことです。
自分で何かを言うということは、何かを変えなければいけないということです。
つまりは「変化」の必要を感じている状態です。
例えば健康に不安を感じて、禁煙するとか運動を行うなどです。
恐らく、禁煙をしようと思ってやり切れる人の割合は2割に満たないのではないでしょうか?
個人ではなく、組織全体が行うとなるとより難易度が上がります。
全体の方向性を変えるために方針が出たとしても、一人一人がバラバラでは力が分散してしまいます。
水族館で見る魚の群れや、上空を飛んでいる鳥の群れを見ていると、きれいにまとまっています。
きっと、強力な力を生み出すことができるのだろうなとうらやましく思います。
この状況を考えてみると、ここでも「変化に対する恐れ」が出てきます。
自分が慣れていて、心地よい「コンフォートゾーン」から出たくないという気持ちです。
この「変化に対する恐れ」と常に綱引きしているのが「危機感」です。
鳥も、もしかしたら、群れに従わずに自分で自由に飛びたいと思っているのかもしれません。
それでも自分一人でいることは、危険の察知する能力が劣り、結果として命を落とす可能性を高めるのでしょう。
組織全体が動くためには「変化に対する恐れ」と「危機感」を適切に理解して、進めていく必要があることを学びました。
ところで、先ほどの禁煙の話に戻りますが、禁煙に挑戦するだけ良いのかもしれません。
そのように考えると、最後にもう一つ加えないといけません。
「言うのは易し、行うのは難し、継続するのはさらに難し」に変えてみるのはどうでしょう。