戸澤の週報
2024年04月30日
ベクトルを揃える
4月が間もなく終わりを迎えようとしています。
まだ、何もできていないのにひと月が過ぎて行ってしまうようです。
全く、うかうかしているとあっという間に1年が終わってしまうので、気を付けます。
ずっと前より気になってはいましたが、読めていなかった伝説の名著があります。
大前研一さんの「企業参謀:プレジデント社」です。
大前研一さんは日本を代表する経営コンサルタントです。
この本は1975年に出版されていますが、以降50万部以上販売されベストセラーとなっています。
その当時は石油ショックの時で、日本中が混乱の時にありました。
そこから、50年が経っていますが、コロナ禍で大きな混乱を経験した、現在とよく似ている気がします。
この本は、企業がどのように戦略を立てていくのかという、参謀としての立場で考えられている本です。
いくつか気になる点がありましたが、一つ目は全体感の把握を訴えています。
商売の基本は顧客に売る側と製品を作る側(商社なら仕入れ側)を一つの目で見て、一つの頭の中で有機的に結びつけることだとあります。
機能別組織を作り、それぞれの工程を最適化したとしても、全体像が見えない中では、部分最適に過ぎないということです。
全体像を見たうえで、それぞれの機能をどのように結びつけていくかを考えていくことに商売の基本があると言います。
50年も前から、すでに全体最適を説いているのに驚きです。
あとは、戦略的自由度という考え方です。
何らかのビジネスの改善を行おうとした場合に、そもそもどの内容の改善を行うかと言う考え方です。
例えば、半導体のEコマースであれば、①品揃え②価格③納期④サービスなどに分かれることでしょう。
ここで、改善する内容を正しくつかんでいなければ、そもそも最初からベクトルがずれてしまいます。
当たり前ですが、きわめて大切なことを教えてくれています。
ただ、漠然と改善しますでは大きな成果は出ません。
改めて、精神論ではない、正しい努力の必要性を感じました。
そして、大前さんが最後のほうに述べているのは、改革についてのリスクについてです。
リスクを恐れていたのでは、改革は進まない、ということが社内に常識として受け入れられていることが、戦略的経営計画の核心であるとあります。
この言葉は重いですね。
つまるところは、社員のマインドがすべての本質であると言えそうです。
組織に安住の地はなく、常にできる限り危険の少ない場所をリスクはありながらも、移動して獲得すること。
これが当たり前と会社全体が捉えることを大きな目標にしていきたいと思いました。
大前さんはこの本を、32歳の時に書かれています。
驚きを隠せません。