戸澤の週報
2024年02月04日
変わることを恐れない
1月ももう終わってしまいました。
残り1ヶ月は寒い日々が続きます。
暖かい春が恋しいですね。
今まで色々な本を読んできましたが、入りたくて入れない領域の代表格は哲学です。
大学でも哲学は履修しましたが、最後まで全体像もつかめずに終わってしまいました。
それでも、大人になり、全く触れないでいるのに少し違和感を感じている所でした。
そんなところに、紹介頂いたのが、永井玲衣さんの「水中の哲学者たち」です。
永井さんは学校や企業などで「哲学対話」と言った、一つのテーマを決めてみんなで深く話し合う会を行っています。
なぜ人は生まれるのか?大人って何?社会を変えるには?許しは必要か?などから、なぜ冬にアイスがたべたくなるの?まで、幅広い問いを立てていきます。
そんな問いを元に、世界を見つめて考えることを「手のひらサイズの哲学」と呼ぶそうです。
大上段に構えるのではなく、ぼやっとした何かをゆっくりと考えるような気楽さがあるもので良いと言ってくれています。
この本の中には、難しい哲学用語も、観念的な思考もあるわけではありません。
ファシリテーターでもある永井さんが今まで経験した、哲学対話で実践した問いに対する対話から見えてきたものを共有してくれています。
その中で印象的だったのは、「変わっても良い」と言うことです。
人は、どこかで「一貫性」に憧れを持っています。
いわゆるぶれないというものですね。
変わらないことが美学とされ、時代や環境が変わっても動かない考えが良いものと言うイメージが強い。
同時に、私達人間は変わる事が苦手でもあります。
間違いを認めたり、信念を変えたり、前提を疑ったり、立場を捨て去ることが苦手です。
しかし、変わることを恐れてはいけないと言います。
自分の立場よりも、本質の追求を大事にして、異なる考えを取り入れて、より高次な考え方へ刷新していきます。
より本質に近づくためには、自分の考えを全て正しいとは捉えずに、対話の中でより良いものを選び出し、上手に取り入れることが近道と言う考えです。
また、人の話を良く聞き、それによって自分の考えが変わることを楽しんでくださいと言います。
人の話をただ聞くだけでも難しいのですが、よく聞くことはもう一つ難しいことです。
そして、人の話で自分の考えを変えることも、意識しなければ難しいものです。
簡単に考えを変えてはいけないという考えが、邪魔していますね。
自分の考えを変えることも難しいのですが、それをさらに楽しむというのは、より難易度が高いものです。
しかし、これらの一連の流れを、毎日の生活の中で当たり前にできるようになってくるのであれば、多くのことが自分の中で見えてくるような気がします。
変わることを楽しむこと、我々に課された大きなテーマだと考え、これから取り組んでいきたいと思います。