戸澤の週報
2023年09月19日
テトリス型経営
先週は当社研修、コアスタッフユニバーシティ、リベラルアーツにて、東大大学院教授である、森川博之先生にお越し頂きました。
森川先生は情報通信における最先端の方で、さまざまな協会の要職も務めています。
今回の研修のタイトルは「テトリス型経営」です。
これからの世の中で、どうやってイノベーションを起こしていくかと言う一つの考え方です。
テトリスはご存知の通り、色々な形のパーツを上手に回転させることで、ぴたりとハマります。
うまく行った時は、横一列に揃った部分が消えて、次のステップに進みます。
テトリス型経営とは、既に世の中にある、さまざまなパーツ(ノウハウ、テクノロジー、組織などなど)を組み合わせて、お互いを化学反応させて、世の中にないものを作ってしまおうと言う考え方です。
つまりは、一から新しいものを作ると言うよりも、今あるものを組み合わせることで、世にない新しいものを作っていくと言うことです。
講演の中で、過去のイノベーションの歴史を教えてもらいました。
1870年代はエジソンの電球、グーテンベルクの活版印刷機などの発明家の時代。
1920年代は大手企業の中央研究所などの、企業内研究所の時代。
1970年代は、ベンチャーキャピタルによるスタートアップによる時代。
2020年代はパーツを組み合わせる時代ということです。
面白いのはこのイノベーションの変遷は50年ごとに起こっていると言うことです。
なぜ、2020から組み合わせになった背景は、技術の成熟化にあります。
最近スマホが頻繁に買い替えされないのは、既に我々が必要としているものは、今持っているもので満たされているからです。
新しい機種に、何か新しい機能が付いていても、それを高いお金を払って欲しいと思わなくなっているのでしょう。
それぐらい、革新的な技術は既に新しく作るのは難しくなっているのと、大体のサービスはで尽くしたと言うことでしょう。
しばらくは、みんなが欲しくなる革新的な技術やサービスは生まれづらいと言えそうです。
だからこそ、今あるものを上手に真似て、上手に組み合わせて、その上で、自分たちのエッセンスを注入して、オリジナルにしてしまうアプローチが生まれたのでしょう。
日本人はこの形のビジネスは苦手に思えます。
Googleは技術に疎い方を採用していると聞きます。
これは技術バカになってしまい、お客様が本当に必要なものを見失わないようにするためです。
お客様が本当に欲しいものは、世界で最先端の技術ではないことが多いと言うことなのでしょう。
今回の研修では、できるだけシンプルにして、本当に必要なものにフォーカスすることが、大切であることを学びました。
新しいものだけに目を向けるのではなく、顧客目線で、本当に必要なものを、世の中に存在しているものから作り上げることが大切であることも教えてもらいました。
我々の今後のサービス展開に活かして行ければと思います。
新しい視野が広がることは本当に嬉しいものです。