戸澤の週報

2023年09月04日

DAY1

9月になりましたが、引き続き非常に厳しい暑さとなっています。
まだしばらくはこの暑さが続くようです。
頭の中で従来のカレンダーのリセットが必要なのですね。
 
最近の半導体の需要の減退を受けてか、当社の創業時からの苦労について聞かれることが増えてきました。
2000年の創業ですからもう23年やってきているのですが、簡単にうまくいっていると思ったことはありません。
参考になるかは分かりませんが、少しだけ創業時から振り返って見たいと思います。
 
当社創業の2000年12月は、ITバブルの名残が残っているギリギリの時期でした。
当時何の信用もない当社でも、数百万円と言うスポットのご注文を頂くことができて、無事年を越すことができました。
言うのもはばかれるくらいの小資金でスタートしたため、これらのオーダーは当社を存続させる命のオーダーだったと言えます。
それも、お金がないだろうからと言ってお客様が先払いして頂いたことをはっきりと覚えています。
しかし、安心したのも束の間、年が明けて2001年になると、ITバブルがはじけてしまい、今までとは状況が一変しました。
それまで、定期的に来ていた引き合いが全く来なくなりました。
始めは何が起こったのか全く分からずに大きな不安を覚えました。
まだ、自分に知識もなく、新聞も読む習慣もなく、インターネットも十分使いこなせないため情報も取れず、世の中で何が起こっているのかが分かりませんでした。
しばらくすると、致し方ないので、過去の栄光は忘れて、現状をベースに活動することになります。
当然何をやっても簡単に成果は出ません。
それでも時間と共に少しずつ会社としての形が作られていたのだと思います。
今となっては、スタート時に簡単にうまくいかなかったのが、現在の当社のしぶとさに繋がっていると感じています。
そして、次の大きな試練はリーマンショックです。
2000年代前半は携帯電話や家電を中心に確実に半導体の需要が高まり、業界が成長している時期でした。
それが、一変したのが2008年です。
今から考えて見ると、リーマンショックのインパクトは非常に大きく、ITバブルをはるかに超えるものだったと思います。
不動産会社を中心とするそれなりに大きな会社が、毎日倒産していくあの世界は大きなインパクトを与えました。
半年間は世界経済が麻痺していました。
そこからも小さな波の浮き沈みはありましたが、次の大きな出来事は2019年の米中貿易摩擦です。
2国間の緊張が一気に高まり、大国である2国の需要の低下が、日本を含める多くの国に一定量、長い期間影響を与えました。
ITバブルやリーマンショックとは違って、それ自体のインパクトはすごく大きいわけではありません。
特徴としては長期間に渡って真綿で首を絞められている感覚で、今でもよく覚えています。
こちらは丸1年間継続しました。
そこからしばらくしてコロナ禍の半導体不足が起こった2年間を経験し、コロナが明けた2023年の現在を経験しています。
 
経済は生き物のであるかのような動きを見える時があります。
つかみどころがなく、触ったように見えても、その手からするっと抜けていく感覚でしょうか?
巡り巡って一周している感覚もあります。
そのように考えると、私の原点になっているDAY1はITバブルと崩壊なのですね。
今できることは、DAY1を決して忘れることなく、そして決して一喜一憂しない。
そして、今自分のできることを一生懸命するということだと思います。
もう一度2001年に戻りたいとは思いませんが、世の中が身をもって教えてくれた1年だったと今では少しだけ感謝しています。

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