戸澤の週報

2023年08月12日

1日のエネルギーを考える

台風が近づいているようです。
お盆の時期に直撃が予想されています。
ちょっと残念ですが、備えましょう。
 
人が持っている時間が有限なように、人が持っているエネルギーにも限りがあります。
そのように考えると、人が持っているエネルギーを一日の中で如何に有効に活用するかが大切に思われます。
先週もお伝えしている山本先生の読書の講義で教えてもらったことで、人間がスマホに取られる注意力の話があります。
例え電源を切っていたとしても、人間の注意の数パーセントはスマホに行っているとありました。
また、情報には2つあって、動く情報と動かない情報があると教えてもらいました。
インターネットからの情報は常に更新されている動く情報で、本は完成してから書き換わらないので動かない情報。
現在は動く情報が主になってきているので、人間が更新される情報に付いていくことだけで消耗してしまっている。
よく考えて見ると、人間の1日にとって大切なのは、活動することであり、アウトプットです。
もちろん知識をインプットすること自体は非常に大事なのですが、そこだけに留まっていては何も始まりません。
中国の明の時代に生まれた儒教である陽明学の大切な教えに「知行合一:ちこうごういつ」があります。
陽明学以前の主要な学派だった朱子学の知識偏重の考え方に、真っ向から異議を唱えたのが陽明学を確立した王陽明であり、知行合一の概念でした。
知行合一とは行うことがまず第一義にあり、そこに必要な知識が存在しているという考え方です。
世の中に知られている著名な方のなかで、一定数の人はこの考え方で説明できると思います。
決して学歴が高いわけではないが、やりたいことをやっているうちに、問題にぶつかり、その解決に必要な考え方や知識を後から吸収しています。
実践型の人です。
逆に学歴が非常に高く、知識も豊富で頭脳も明晰であるものの、すぐ行動に移すことができずに、大きなことをできない人もいます。
私自身は行動することを一番大切に考えているので、知行合一の言葉を知った時にはうれしかったものです。
 
もう一つ最近感じることは、心の中の気持ちの持ち方の問題です。
例えばAとBと言う立場や考え方があったとします。
多くの人が自分の立場や自分が支持する考えを良しとして、もう一方を対立するものとして捉えてしまいます。
例えば、自分と他人、指示する人とされる人、評価する人とされる人。
もちろん全く同じ人間がいないように、全く同じ考え方を持っている人もいません。
逆に言えば、全てにおいて違っているということもありません。
対立軸を持ってしまった時点で、少しでも自分とは違ったものを感じるたびに、違いを糾弾するためのエネルギーを消耗してしまいます。
このためのエネルギー消費は思っている以上に大きいような気がします。
そう考えると、1日の持っている100のエネルギーの内、何も行動していなくても50を消費していまう人もいれば、全く消費しないで、全てを行動に費やせる人もいるということです。
少しでも自分の中の対立を無くし、無駄な消費を減らすことが、知行合一の第一歩となりそうです。
それが簡単にできれば苦労しないのですが。

  • corestaffONLINE