戸澤の週報
2023年01月30日
信用
少しずつ、日が伸びてきているのが分かります。
まだまだ寒い日が続いていますが、確実に春が近づいてきているのでしょう。
先週は3日間、ビックサイトでインタネプコンジャパンに出展しておりました。
Withコロナとなって、環境が少し変わってきました。
2021年は出展中止しており、昨年の2022年は出展しましたが、従来の半分くらいの実感でした。
しかし今年は、コロナ以前と比較しても人通りも多く、ブースに立ち寄って頂くお客様も増えてきました。
改めて週報を見直すと、インターネプコンに初めて出展したのは、2003年でした。
そこから20年が経過しています。
途中に2021年はコロナで出展を断念しましたが、それ以外の年は全て出展しています。
2003年に初めてインターネプコンに出展した時の週報には以下のような文章がありました。
インターネプコンが終わりました。水曜日からの3日間でしたがあっという間に終わってしまいました。
3日間を通じ、様々な方との出会いがありました。
1人1人に全く別のご要望、悩みを持っていて、真剣に解決策を求めてぶつかってきていただきました。
お客様のそのようなご要望に一つでも多くお応えできるような、会社にならなくてはと、改めて強く感じました。
とにかく多くの方とお話をする機会を頂きました。
こんなにも多くの方と話せるのなら、毎日展示会でもいいのではとすら思ってしまいました。
ただ、大切なのはこれからです。
今回様々なお客様から頂きましたご要望に対し、弊社として一つ一つに回答を出していきたいと考えております。
実に初々しい文章で、初心に帰ることができました。
今回もそうです。
お客様の調達環境はここ数年で激変しており、今までにない悩み事が生まれております。
バイヤーの方の苦しい環境を共にお話していると、中には涙ぐむ方もいらっしゃいます。
今必要なのは、一時的な延命策でもきれいごとでもなく、根本からの解決策です。
この半導体の不足している局面において、全ての部品を何も問題なく調達することは不可能です。
大切なことは、バイヤーを始めとする関係者を一人にしないことです。
皆でひとつのチームとなり、苦しいことも、うれしいことも共有できる環境を創ることが大切なのだと思います。
経済学に「アドバースセレクション」と言う言葉があります。
Adverseは「逆の」という意味で、Selectionはこの場合は「淘汰」で良いと思います。
サービスが良く、正直にビジネスを行っている方が、逆に淘汰されてしまうことです。
半導体の業界で考えて見ると、仕入先ランクを正直にCランクでリスクが高いと言っているA社がいたとします。
B社はAランクですと言ったとします。
仮に価格は一緒だとしたら、ほとんどの会社はB社から購入するでしょう。
半導体の偽造品の可能性はそこまで高くないため、お客様も偽造品が入荷するまで騙されているとは気が付きません。
場合によっては一生気が付かないかもしれません。
この場合のA社がなかなか注文がもらえず、良心的になっている方が市場を退場しなければならない可能性が大きくなってきます。
もちろんA社もアドバースセレクションを理解し、B社にどのように対抗すべきかしっかりと考える必要があります。
しかし、耐えきれずにB社と同じことをやってしまってはいけません。
世の中には見ている人は見ているというのが、長年やってきた実感です。
アドバースセレクションの誘惑に決して負けずに、最後までやり抜いたところでようやく得られるのが信用です。
社歴もそうですし、インターネプコンへの出展もそうですが、継続するところに信用は生まれやすいものです。
ここ最近になって、信用について、ようやく分かり出した気がします。
当社はこの信用を守り抜き、これからも増やせるような会社にしていきたいと、今回の出展で改めて感じました。
今回の展示会には、現在「相棒 Season21」に出演中の俳優である、鈴木砂羽さんにお越し頂きました。
半導体の未来予想図と言うテーマで、私とトークショーを一緒に盛り上げて頂きました。
開始10分くらい前から会場でご案内を開始し、始まる前には見たことがない程の多くの方が集まり、異様な雰囲気となっていました。
半導体のこれからの未来について、ご一緒にお話をさせて頂き、非常に楽しい時間を過ごさせて頂きました。
また、次の機会にご一緒できることを楽しみにしています。
今年のインターネプコンは、2003年に負けないくらいの展示会になりました。
20年前の自分が言っているように、展示会は終わってからが本番です。
皆様からお伺いしたお困りごとを、当社が少しでも解決できるように、来週以降動き始めます。