戸澤の週報

2003年03月29日

2003/3/29

三寒四温となっています。暖かくなったかと思えば最近は少し寒くなっています。風邪を引きやすくなっています。皆様気を付けてください。

今週はこんな本を読みました。三浦綾子さんが書きました「泥流地帯」です。大正15年の十勝岳の大爆発による泥流により、そのふもとに住んでいる多くの人達の命、畠が奪われてしまう。それまでの真面目に生きていた者が何十年とかけて積み重ねてきたものが一瞬にしてなくなってしまう。大自然の巨大な力に人間は成す術がなく、ただ現実のみを受け入れていかなければならない。それも、自然はその暴力的な力の向け先を、何故か日頃の行いの良いものに向けてしまう。小説の中の様々なドラマを事こまかく書くことは出来ないが、弟、耕作と兄、拓一を中心とした昔の農村の姿がこの本にありました。よく我々は何か悪いことが起こったときに何の悪気もなく、「あなたは日頃の行いが悪いからだよ」と言ってしまいます。何か本当に行いが悪い場合は良いのかもしれませんが、日頃から生活を真面目に過ごし、清き心の持ち主が災難に会う事もあります。簡単に口にする事ではないとこの本では戒めています。なるほどと思いました。そして、正しき者になぜ災難があるのはどうしてか?と言う問いがあります。明確な答えが本の中にはありませんが、災難に出会ったときにそれを災難と思って嘆くか、試練と思って奮い立つか、その受け止め方が重要だとあります。試練だと思って立ち上がった時に苦難の意味が分かって来る物だとあります。我々は普段の生活の中で、何気ない事(本人にとっては重要?)を重大にとらえ悩んでしまうものですが、何かこの本を読んでいたら、とても大きなテーマの中で自分の生活を考える事が出来ました。おすすめの1冊です。

ボブサップがミルコクロコップに負けました。上には上がいると改めて感心しました。
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