戸澤の週報
2021年12月05日
経験を積むと言う事
12月になり、今年もあと1ヶ月となりました。
ようやく令和3年に慣れてきたところですが、来月には令和4年です。
なんだか不思議な感覚ですね。
毎年この年末に思うことではありますが、1年が過ぎるのが早いです。
1年が過ぎると、また1年間の経験が積まれることになります。
普通であれば、経験を積むことは喜びであり、自信につながる事となります。
この事は半分は正解ですが、半分は間違っているように感じるようになりました。
作家の有吉佐和子さんはあるインタビューで、このように言っていました。
「作家であることが、苦しくも何ともなかった頃の私は、作家ではなかったが、
作家であることが苦しくてたまらなくなった私は、もう作家になったのだと思う。」
何の仕事でも、必ず振り子である以上、良い時もあれば悪い時もあります。
良い時に十分な備えをしておかなければ、悪い時には大きな傷を負うことになります。
そう言った経験を経ていくうちに、怖さを覚えていくことになります。
この怖さは、自分が不十分であることの気づきであり、本当の意味でのスタート地点に立ったと言えると思います。
怖さを知らなかった頃の自分は、懐かしいとは思いますが、戻りたいとは思いません。
逆説的ですが、人間成長するほどに怖さを身に着けていくということなのかもしれません。
怖さがあると、同じことをやるにしても、よく考えるようになりますし、人に対してやさしくもなれると思います。
このご時世で言うと、地球にも優しく考えることができるかもしれません。
もちろん、怖さが悪く働いて、何をするにも臆病になったり、大きくスピードをなくしてしまうことは良くありません。
あくまで、前向きな怖さであってほしいと思います。
現在は、不確実な世の中です。
多くの先人たちの知恵を、自分の血となり肉となるまで、完全に咀嚼して身に着ける必要があります。
その為にも良く考えることが必要です。
どのようにその時間を確保するか?
また、何を学んでいくべきか?
こちらも大きな問題ですね。
参考文献:左遷の哲学 伊藤肇 著 産業能率大学出版部
※こちらの本は、過去の先人たちが、どのように嵐の時期を凌いだのかが書かれている名著です。