戸澤の週報
2021年11月28日
世界史に学ぶ
徐々に冬の寒さがやってきています。
街には枯れ葉が落ちており、風に吹かれて舞っています。
東京でも紅葉の見頃になってきました。
文系の方であれば世界史を専攻していた人はかなりいるかと思います。
それでも、社会に出てから必要とされる、教養としての世界の歴史を学んでいる人は多くはないかと思います。
もちろん、私もその一人です。
改めて、世界史を学んでみると多くの気づきがあります。
①なぜ、世界各地に古代文明が起こったか?同時期日本ではなぜ起こらなかったか?
②なぜ、人類は大移動するのか?
学生の時は、試験で点数を取らなければいけないので、どうしても暗記中心になります。
しかし、今は違います。
様々な事象に対する、時代の背景と理解し、原因を分析することで、現代に生きている我々は学ぶことができます。
①の世界の文明を考えて見ます。
有名な4大文明と言う表現は日本でしか通じない表現のようです。世界では同時期に他にもいくつもの文明があったようです。
古代エジプト文明、メソポタミア文明、インダス文明、黄河文明。
それぞれ、大きな川の流域で栄えています。
この理由は、「乾燥化」が深く関わっているようです。
紀元前5000年~2000年までの間に、これら地域に乾燥が広がり、多くの土地が砂漠になったことにより、大河の流域に人が集まったということです。
人が多く集まることで、様々なものが発達し文明になったという考え方が、現在の学者の間では定説になっているようです。
日本は水が豊富で肥沃な土地が多いため、乾燥化とは無縁で、高度な文明が生まれなかったようです。
②の人類の大移動では、一番有名なものはゲルマン民族の大移動です。
この大移動は、ヨーロッパの地図を一変させるだけのインパクトのあるものでした。
原因は、やはり気候変動のようです。
寒冷化によってまずは、騎馬民族「フン族」が西に移動し、それに押し出される形で、ゲルマン民族が一気に西に移動しました。
ヨーロッパの歴史ではこういった民族の移動がよくあります。
この民族移動によって、多くの民族が、国を失うと言う憂き目にあっています。
このあたりは島国で国土が安定している日本からは理解が難しいところです。
こうした民族の移動に対する警戒から、現在のヨーロッパの移民問題を考えて見ると、また違って見えてきます。
ヨーロッパは過去の帝国の移り変わりや民族の移動をしっかりと押さえておかないと、現在の国の生い立ちや文化が見えてこないことが良く分かりました。
当たり前の話ですが、ヨーロッパの人は、当然これらを小さなころから、自国の歴史と言うことで学んでいるわけです。
日本からしてみると、どうしても遠く感じがちなヨーロッパですが、これは地理的と言うだけではなく、歴史の複雑さによるところがあるのかもしれません。
きちんと学んでみたいと思います。
参考図書:教養としての「世界史の読み方」 PHP研究所 木村凌二著