戸澤の週報
2021年11月14日
脳の奇跡
朝晩が、少しずつ冷え込んで来ています。秋も深まり、いよいよ残り時間が少なくなってきたようです。冬に向けた、用意を始める時が来ました。
最近、東北大学の副学長である、大隅典子さんの「脳からみた自閉症」を読みました。私達は毎日の生活の中で、さまざまなことを考えて生活していますが、その考えている場所である、脳について知っていることは本当に少ないです。どんな構成になり、それぞれがどのような働きがあるのか?そして、どのように脳が作られているのか?今までほとんど考えたことがありませんでした。脳の構造は非常に高度で、複雑です。だからこそ、脳の発達段階において、よくミスが起こり、それらが自閉症であったり、さまざまな特徴に繋がっていくと言うことです。ニューロンという言葉はよく聞きます。
ニューロンは脳の内側である脳室から、放射状グリアという神経幹細胞の突起をよじ登って脳室の外に飛び出て、蓄積されます。この蓄積されたニューロン細胞が、脳の外観を作っているようです。そして、このニューロンが次に行うのは、ニューロン同士をつなげるシナプス(神経結合)を形成することです。このシナプスも簡単にはいかないようです。次にようやく出来たシナプスの刈り込みです。この刈り込みとは。出来上がったシナプスのうち、過剰に作られたものを、取り除くということです。ここでも、正しく刈取りが行われなければ、何らかの問題が起こります。これら、脳の大枠の完成は、3歳くらいまでということです。知らない間に、短期間で、超難事業が私達の頭の中で行われていたのです。長い年月の中での進化だとは思いますが、やっていることを考えると奇跡としか思えません。一人一人が、せっかくのこの難事業の成果を活かしていかなければいけないと思います。さまざまなものを知るほど、自分が知らないことの多さに気が付かされます。