戸澤の週報

2021年10月24日

言葉の力

この土日の二日間は山手線の内回りが、動いていませんでした。

渋谷駅の拡張工事と言うことでした。

駅の改札には大きな案内と駅員が立っていて、物々しい雰囲気でした。

 

最近、文章を書くことで言葉の力を考える機会がありました。

そんな中で字幕翻訳者で有名な戸田奈津子さんの半生を教えてもらいました。

これまでに1500本の洋画の翻訳を担当しています。

今では押しも押されぬ存在ですが、世に出るようになったのは43歳の時で、20年と言う長い下積み生活の後でした。

中高生の時には図書館に入り浸り、周りからは図書館の本を全部読んだと言われたそうです。

その時の読書が言葉の貯金となったようです。

大学を卒業してもすぐに字幕翻訳者になれたわけではありません。

夢をあきらめず、努力を継続しても尚、簡単に夢はかないません。

それでも最後まで引き下がらない様子を、きっと神様は見ていたのだと思います。

20年経った時に人生の転機があり、ついに字幕の世界で本格的にデビューすることができました。

 

そんな戸田さんが字幕翻訳について、以下のように話しています。

「英語そのものは日常会話だから、限られた時数でそれを日本語としていかに表現できるかが勝負です。字幕翻訳の80%は日本語力なんです。」

字幕は限られたスペースで、いかにきちんとストーリーを伝えた上で、微妙なニュアンスを加味し、登場人物のキャラクターまでを伝えなければいけません。

さらには、ただ機械的に訳しても、心を揺さぶるようなものにはなりません。

当然元の英語は自分で作ったものではないため、作者の意図は汲み取っていく必要があります。

そんな制約の中で、自分なりに適切と思う日本語を次々に生み出していくのです。

 

新聞や本を読んでいると、正しく意味を把握していない日本語に出会うことは良くあります。

前後の文脈より、おおよその意味は分かるため、国語辞書を引くことはほとんどなかったのですが、少し前から意識して引くことにしています。

その結果、言葉を正しく理解できるようになったことは当然のことで、一つ一つの言葉を正しく知ることは楽しいものです。

日本語を学んでいくと、少しずつですが、日本語の美しさに触れることがあります。

 

正しい日本語を学び、表現力を高めて、多くの事を伝えていくためにも、すぐに必要なくなるような情報を仕入れるのではなく、長く使える教養を身に着けるべきだということと学びました。


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