戸澤の週報
2021年02月21日
無限の可能性
日が大分長くなっていて、夕方の6時でもまだ少し明るさが残っています。
街では梅の花が目につくようになってきました。
日中は温度が上がっていて、いよいよ春がそこまでやってきました。
例えば、日本酒に力を入れているお店に行った時に、メニューを見て、自分の好みのものを頼むのは普通のことです。
でもそうはせずに、お店のスタッフに好みを伝えた上でおまかせでお願いしたらどうでしょうか?
自分ではたどり着けない一品に出会うことができることでしょう。
顧客には知ることのできない情報を持っているからであり、今までの経験と知識を持っているからです。
そして、頼まれた方はどうでしょう。
普通に銘柄を指定された場合は、その製品を出す時に説明等はすると思いますが、基本は運ぶことが仕事になります。
おまかせになった瞬間に、頭の中は高速で回転を始めて、最適な解を求めていきます。
頼んだ方も自分が知らないことに出会えて、頼まれた方も責任は大きくなりますが、自分自身の成長にもつながり、顧客にも喜んでもらえることにもなる。
ここに、これからの日本の再成長のヒントが見えてきます。
不振に陥った日立のV字回復を導いた川村さんは、巨大な組織にカンパニー制を導入しました。
カンパニー長に責任と権限を渡しました。
自らの責任で日立の投資家へ事業プランの説明を行う体制に変更し、そこから目の色が変わったと、ご本人の著書で教えてくれています。
従来は役員が矢面に立っていたため、事業主体である事業部にはそこまでの責任感・危機感がなかったということです。
川村さんはかつての日立のある工場長から「ラストマン」と言う言葉を教わりました。
たとえ小さな組織であっても、その組織においては自分の後ろには誰もいない。
最後の決断を自分で行い、最後の責任は自分で取れと言う事です。
先ほどの日本酒のオーダーは顧客の方がお願いしないとおまかせはできないかもしれませんが、企業に置いては組織構成・組織権限の構築の仕方で、当事者意識のあるリーダーやチームは作れると思います。
そして、ラストマンの本質を理解した人は、恐らく今まで使っていなかった脳の休眠領域を活性化させることが可能になります。
脳の可動領域が格段と広くなり、無限の可能性が生まれてきます。
日本企業が力強く成長していた時には、至る所にラストマンがいたのではないでしょうか?
それが、組織力に繋がっており、日本の経済の発展に繋がっていたと思います。
このラストマンの育成こそが、日本再生の大きな方策であることは間違いなさそうです。