戸澤の週報
2004年05月01日
2004/5/1
この、GWはのんびりと読書に努めています。たった今、いかりや長介氏著の「だめだこりゃ」を読み終わりました。この本は、今から約2年前に世に出た本で、昨年に文庫化されました。ドリフターズの創生期から解散した後の俳優としての活動までの自伝的書き物で、新たな長さんが分かり非常に面白く読めました。中でもドリフターズの芸名は、クレージーキャッツのリーダーハナ肇さんがお酒に酔った勢いでメンバーに名前を与えたとのことです。それ以後その芸名で通しているということです。文章から読み取れる内容を見ていますと、様々な場面で人との出会いがあり、それが以後の生活に大きく影響をしているということです。これはいかりや氏だけに限ったことではありませんが、人との出会いということは人の一生にとってとてつもなく大きな要素なのだなと改めて感じずにはいられません。そして、いかりやさんの文章の中で印象的なくだりが、「演出されるというということがこんなに心地の良いものだとは知らなかった。作品や役について、真剣に考えているのは私一人じゃないという安心感があった。作家がいる。監督・演出家がいる。スタッフがいる。彼らに身を任せる心地よさはまた格別なものだ。こんな年になるまで、この楽しみを知らずにいたなんて、ずいぶんと損をしたような気さえした。」ずいぶん長い引用になってしまったが、長さんの長いリーダー生活で染み付いてしまっている習慣から来る言葉だろうと思います。様々な苦労があり、気を張ってやってきて、ふと違った環境に置かれそこでは自分ひとりが何かの責任を持ってやる場ではなく、自分以外の人間が自分以上の責任を持って取り仕切っているそんな場に、深い安心感を感じたのでしょう。非常に共感できます。
非常に長くなってしまいましたが、どうも前からいかりや氏のことが気になっていましたが、よくよく考えて見ますと私はいかりや氏の生き方、考え方が好きだったのだと思います。何事にも真剣、一生懸命で、謙虚なところもお持ちなところが尊敬できます。見習いたいものです。