戸澤の週報
2025年04月17日
「凡事徹底」が教えてくれたこと
最近の新聞を見ていると、毎日話題に事欠きません。
世界中の関税の関連で、大きな影響が出ています。
日本では牧野フライスや芝浦電子が、新たな形のTOBに直面しています。
世の中の動きが活発になり、対応の巧拙が企業の継続に重要なポイントとなっています。
2025年は多くの偉大な先輩たちが亡くなっています。
先週の野中教授に続いて、イエローハット創業者である鍵山秀三郎さんも91歳でその生涯を閉じました。
鍵山さんは1代で国内有数の自動車用品チェーンを築き上げただけではなく、トイレ掃除を社会運動まで高めたことで有名です。
その鍵山さんが常に説かれていたことが「凡事徹底」です。
直接の意味は、平凡なことを非凡に徹底して行うこととなります。
掃除、挨拶、整理整頓、時間厳守などの誰でもできることを、誰にもできないくらい徹底すると言う考え方です。
その他に、小さなことに誠実でなければ、大きなことに誠実にはなれないと言う言葉を残しています。
このことは特別な才能がなくても、自分の努力だけでできます。
しかし、それをやり切れる人は限りなく少ないとも思います。
30歳位の時にこの言葉に出会ってから、常に気になっている言葉です。
残念ながら自分はこの凡事徹底の教えを完全に実践することはできていません。
ただ、今でもこの週報を書き続けていることだけは、鍵山さんの教えを実践できているのかなとも思います。
冒頭取り上げたように、世の中、毎日がジェットコースターのような様相になっています。
こんな時はつい、右往左往してしまいがちですが、本当に必要なことは「自分なりの軸」だと思います。
どれだけ世の中が変わっても、この軸だけはぶれないと言う強い軸が必要です。
では、自分の軸になり得るものはどんなことなろうかと考えても、最後に行き着くのは、この凡事徹底なのです。
もちろん、イノベーションを起こすための新しいビジネスモデルを考えたり、戦略を練ったりすることは大切なことです。
しかし、実際に全てのビジネスや戦略の実行は人間が行います。
凡事を軽んじる人に、大きなことは成し遂げられないはずです。
世の中の変化で対応すべき部分と、どんなに強い変化でも変わってはいけない部分と2つの領域があることを意識すべきですね。
変わるべきは変わり、変わっていけない所は、さらに深めていく努力が今こそ必要な時期はないかと思います。
個人としての自分なり、組織なりが、自分の存在意義を強く問われている時代に入ってきました。
鍵山さんの教えを胸に、軸はぶれずに、しかしながらしなやかに変化に対応することで、未来に繋げていきたいと思います。