戸澤の週報
2024年06月16日
実存主義
真夏を思わす日が続いています。
かなりの暑さに、この先やってくる夏を前に不安しか感じません。
まずはその前に、来週から梅雨になっていくようです。
「実存は本質に先立つ」
フランスの哲学者であり、小説家、劇作家でもあるサルトルの言葉です。
この難しめの哲学は「実存主義」と言われています。
どうして、ここにたどり着いたかと言いますと、当社の社内研修で講師を務めて頂いた山本貴光先生の講義の中でご紹介頂いた、永井玲衣さんの著書である「水中の哲学者たち」でお勧めされていたからです。
なかなか自分から哲学の世界に入ろうとする勇気はありません。
サルトルの「実存主義とは何か」の中にこのような文章があります。
「諸君が生きる以前において、人生は無である。しかし人生に意味を与えるのは諸君の仕事であり、価値とは諸君の選ぶこの意味以外のものではない。」
もう少し分かりやすくかみ砕いてみるとこんな文章になるでしょうか。
「人の一生に予め定まった運命のようなものはありません。生まれること自体は偶然であり、その人生に何らかの価値や意味を持たせていくのは、すべてその人の行動という努力である。」
人はまず存在することから始まり、あれこれどうのこうのするのは自分自身であるということでしょう。
1940年代にこれらの考え方を世に出しています。
この考え方目にした時に、私は何か大きな可能性を感じました。
現代の教育を見ていると、子供には才能が埋まっており、その才能を見つけるために、様々な経験をさせるという考え方がありますね。
もちろんこの考え方にも賛成なのですが、違った見方をすると、そもそも才能とは何なのでしょうか?
何かをずば抜けてうまくなるのに、才能だけが必要かと言えば、そうではなく、正しい努力を継続する力も大きなポイントになるはずです。
正しい努力の方法を導くことには教育の力が必要だと思いますし、両親や教師の存在は大きなものだと思います。
しかし、たとえ、才能に恵まれていなかったとしても、誰にも負けない努力を行うことができたなら、その道の一流になることはできると思います。
世界を意味づけるのは自分自身と永井玲衣さんも言われています。
このように考えてみると、世の中を少し前向きに見ることができると思い、共有させて頂きました。