戸澤の週報
2021年04月18日
人間主義的資本主義
4月も半分が過ぎ残すところあと2週間となりました。
年度の始めの会社も多いかと思いますが、1年のスタートダッシュをきっちり切れるように、残りの日も過ごしていきたいと思います。
ブルネロ・クチネリと言うイタリアのアパレルブランドをご存知ですか?
驚くのはその価格です。
パーカーでも10万円を超えています。ジャケットですと50万となっています。
そして注目すべきは、その会社の経営マインドです。
オーナーのブルネロ・クチネリ氏は経営の中で人間の尊厳を追求していくことと定めました。
そして、尊厳とは倫理的だけではなく経済的な尊厳も追求していて、「人間主義的資本主義」を標榜しています。
自分の父親が務めた工場のオーナーから言われもなき言葉をかけられ、悔しさのあまり涙をしているのを見た時に、企業とは人間の尊厳を何よりも大切にしなければいけないという気持ちが固まったようです。
2019年にはamazonのジェフベゾス氏をはじめとしてツイッター、セールスフォースーフォース、リンクトインなどシリコンバレーのIT企業の創業者やCEOへこの「人間主義的資本主義」を説いたようです。
AIなどのITのテクノロジーが正しい使用方法でみんながそれらのテクノロジーを必要と思えるようにしてほしいという内容だったようです。
一見自由な組織に見られがちだそうですが、実際にはルールはきちんと決めているようです。
会社運営・組織経営に必要なルールはしっかりと決まっていることが強さの源泉のようです。
そして同社には職人を育てる技術を教える学校があります。
学費は奨学金で賄われ、学びに集中できるように報酬もあるということです。
リーダーには共に働く人の成長に注意を払い、人々の情熱を刺激することを求められます。
創造性を生むためには情熱は不可欠であるという考え方に立脚しています。
情熱とは自分たちのしていることを楽しいと感じることからスタートしていくと思います。
このあたりの内容は非常に示唆に富んでいると思います。
学校は知識を授け、実践の模擬試験を多く行うことができます。
ここでの経験は自分たちの仕事に対する理解、この事が情熱の第一歩となるような気がします。
人は勝手に育つものと言う考え方もあります。
しかしながら、今まで見てきて思うことは、やはり他者からのインプットに勝る刺激はないかと思います。
研修や本当の意味でのOJTは本来とても役に立つものだと思います。
この「情熱」を育ていることを狙いに、様々な取り組みを結び付けて、実践することがこれからの世の中を勝ち抜いて行く組織になるための必要条件になってくることと思われます。
もっと勉強していきたいと思います。