戸澤の週報
2021年01月17日
動き出した巨人
真冬の寒さが続いています。
緊急事態宣言になり、1週間が経過していますが、今のところ大きな効果は見られません。
休業を選択している飲食店も多く、街が少し寂しく感じてしまいます。
店があって、そこに人がいて初めて街が活気づくのですね。
先週の大きなニュースに、米アップル社の電気自動車への参入です。
電気自動車のプレイヤーの増加は既に量産体制に入っている、米テスラ社を筆頭に、今後は大資本の多くの会社の参入が見込まれています。
実際に既に米アップル、中国バイドゥやソニーなどの名前が挙がっています。
あれだけの利益を出していながら、強い危機感を表していた豊田章男社長の言わんとしていることが、目に見えて理解できるようになってきました。
エンジンは非常に複雑で簡単に自社で開発できるものではありません。
ガソリンを使っているため、人の命に直接関わる部分であるがゆえに、一部の会社のみが車メーカーであることができました。
しかし、電気自動車の時代になったらエンジンはいりません。
その代わりに必要なものはモーターです。
モーターを買ってきて、電池を買ってくれば、駆動系の基本パーツが出来上がります。
資本力があれば、誰もが車のメーカーになれる時代が来てしまいました。
これからの日本の車メーカーの検討を強く祈っています。
私が尊敬している阪急電車の創業者である小林一三さんは言っています。
千里先の見える人は、世の中から気違い扱いをされる。現状に踏みとどまるものは、落伍者となる。百歩先を見て、事を行うものが世の成功者である・・・と。
なんとなく、うんと先が見えることはすごい事のような気がしますが、意外とそうでもないようです。
中世ヨーロッパで地動説を唱えたガリレオ・ガリレイがまさにその人ですね。
先過ぎてはだめだが、かといって未来を見据えた動きをしないことは間違いなく身を滅ぼします。
難しい世の中になってきました。
多くの産業が成熟し始めてきました。
そうなると、他の世界に目を向ける大手資本が増えてくるということです。
それなりの規模が見込める業界であれば、大手の新規参入リスクが今まで以上に増えてきたということです。
自分の業界でのポジションを強くして、守らなければいけない時も来ることを想定することが必要です。
自分で自分を強くしていくしか方法がありません。
阪急電車を開通させるときに、小林一三さんですら、お金を集めるに本当に困っていました。
苦労して、頭を下げて、何とか借りることができたお金を活かして、その後の大きな飛躍につながる阪急電車を開通させることができたのです。
このような厳しい状況下においては、人の力に頼るにではなく、自分の力を強くして、自分で自分を成長させることが必要であることが嫌と言うほど分かります。
この先も自社が生き残り、成長していきたいのであれば、今の形にとらわれることがなく、百歩先を見極めて、必要なアクションをしていくことでしか、答えを出せないということなのですね。挑戦を続けていきたいと思います。