戸澤の週報

2022年03月06日

行動経済学

三寒四温の時期がやってきました。
少し暖かくなってきたかと思えば、また寒い日がやってきます。
来週の火曜日には、雪の予想が出ています。
コートがいらなくなるのは、もう少し先のようです。
 
行動経済学と言う学問があります。
一言で説明するには、私自身まだそれほど良く分かっていませんが、経済学に人々の心理学を混ぜたような学問です。
人間は自分の行動が合理的に行っていると思っていますが、実際の多くはそうでもないようです。
先週の週報にも書きました、プラセボ効果ですが、こちらも行動経済学の範囲です。
本当は効果がない偽薬ですが、全く同じものでも、価格が高くなるほど、効果が高いということです。
 
人から何か頼まれた場合、無償で頼まれた場合は、その人との関係の中で、何らかの貢献ができると思い
頑張ることができても、同じことを安い報酬で頼まれると、自分を安く見られたとしてやる気が失せてしまう。
お金を払うよりも払わない方がうまくいくというのは不思議な気がしますが、よく考えると分かります。
無償で頼まれた場合は、社会的規範(社会的ルール、道徳)に従って考えているため、お金は関係ありません。
しかし、お金で頼まれる場合は、今度は市場規範(市場合理的な原則)で考えるため、頼まれた人間が納得する金額以下ですと、不満に思ってしまいます。
全く同じく動く場合でも、何に従って動いているのかによって、全く見方が変わってくるという興味深い例です。
 
別の例では、人はレストランで、驚くほど自分の食べたいものを食べていないということです。
誰かが最初に頼んだものが、その後に頼む人に大きな影響を与えてしまうようです。
ここで面白いのは、世界中でこの法則は通じるのですが、国によって影響の仕方は変わってきます。
例えばアメリカであれば、誰か最初に頼んだものとは違うものを次の人は頼もうとします。
独自性を表現したい文化だからです。
同じことを香港で実験しましたが、この場合は、アメリカよりもオーダー内容がばらつきがなく、初めに頼まれたメニューと同じものを頼まれることが多かったようです。
これは日本でやった場合でも、ほぼ同じ結果になる事でしょう。
レストランで、自分でお金を払って頼むのだから、自分の好きなものを食べればよいと思うのですが、不合理に考えるのが人間です。
これらの人間の不合理さを理解した上で、実際のビジネスにも活用してしまおうという流れが、現在には在ります。
全く気が付かずに、選択をさせられているのは悔しいので、せめて行動経済学をある程度理解し、ここは行動経済学からのアプローチを仕掛けられているなと、自分では気が付きたいものだと思います。
(参考図書:予想通りに不合理 ダン・アリエリー著、早川書房)
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